インタビュー:東京校卒業生 河村愛子
店舗を持たず、自然な素材を使って丁寧に作られた焼き菓子はイベントやマルシェ等での販売のみ。「みのたけ製菓」の屋号でユニークな活動を展開する河村愛子さんは、2002年に東京校でグラン・ディプロムを取得しました。
東京•北参道にある隠れ家的なワインバー『Les Cailloux(レ•カイユ)』。その地下にあるビストロ『LA CAVE(ラ•カーヴ)』には膨大な量のワインがストックしてあり、ワイン好きにはたまらないお店です。人通りの多い明治通りには、気軽に立ち寄れる雰囲気のフレンチデリ『Le Carre(ル•キャレ)』があります。そんな、個性あふれる3店舗を経営するシェフ兼ソムリエで、傍らワインスクールの講師も務め、デパートなどの催事にも多く出店している人物と聞けば、みなさんはきっと「やり手のビジネスマン」を想像されるのではないでしょうか?ところが、そんな予想を裏切るように気さくな雰囲気で現れたのが、山下 史樹さん。昔から、作ることも食べることも大好きで、それが講じていつのまにかこの世界に入っていた、と笑います。現在の成功に至る彼のストーリーは、まさに必然の連続のよう。そんな彼の転身物語は…
広告代理店の営業として7年が過ぎた頃、山下さんは、それまで趣味程度のレベルであった料理を基礎から学ぶことを決意されます。本場フランスで勉強したかったことから、編入制度のあるル•コルドン•ブルーへ入学。仕事を辞め、まったく異なる世界に飛び込んだ山下さんにとって、シェフ講師は初めて接する現役の料理人。見るものすべてが初めての連続。今なお交流があるというシェフからはさまざまなことを学び、それが現在の山下さんの糧となっているとおっしゃいます。
編入制度を利用してフランスに渡った山下さん。4年間の留学期間中、4つのお店で修行を経験されます。
帰国後、都内の有名レストランで働きはじめたものの、フランスでの経験が活かせず、わずか3カ月で退職。その後は、料理とは距離を置きワインバーで働きはじめます。ソムリエ資格を取るために昼間はワインスクールに通う中、授業では料理のことを学ぶ機会がないことに着目、ワインスクールの生徒さんを中心に、郊外にあるご実家でフランス料理教室を始められます。ワインバーと料理教室のダブルワークをこなしながら、山下さんは料理研究家を目指されますが、メジャーへの道は険しく断念。また、生徒さんからは料理教室の立地への不満が。
そこで一念発起、都内にスタジオを探したところ、現在のワインバー『Les Cailloux(レ•カイユ)』となる場所に出会います。こうして、平日はワインバー、週末は料理教室というスタイルができあがり、少しずつ仕事が軌道に乗り始めます。
ソムリエの資格をはじめ、チーズプロフェッショナルの資格も取得されている山下さん。「フランスで学んだことを日本にフィードバックすることが僕のお店のコンセプト。もっと身近にフレンチを感じて欲しいんです」とおっしゃいます。それは、経営されるお店のひとつであるフレンチデリのスタイルにも表れています。「日本風に言えば、定食屋みたいな感じなんです。キャロットラペひとつだって、立派なフレンチですからね」とおっしゃるように、フレンチの敷居を下げてカジュアルに楽しんでいただくことが山下さんのスタイルであり、スタンスとのこと。現在では、彼の考えに賛同する仲間やファンも着実に増えていて、これからの活躍にますます期待が高まります。
Q. ル・コルドン・ブルーを選んでよかったことは?
尊敬すべきシェフ講師と出会えたこと。仲間ができたこと。他業種の出身で、今まで特定の場所で修行をしたわけではありませんが、ル•コルドン•ブルーという学校で学べたことで、料理の知識や技術としての一つの芯ができたことはとてもよかったと思います。
Q. ル・コルドン・ブルーでの経験が今の仕事にどう活かされていますか?
料理教室を開くうえで、レシピの構成、技術、教え方など、ベースになるものを学ばせていただいたことは大変大きいと思います。通常、レストランでは大量に作る方法論を用いるのですが、ル•コルドン•ブルーでは4~6人分のレシピが多く、教室やワインバーなどの小店舗でのオペレーションに大変役に立っています。
Q. これからル・コルドン・ブルーで学ぼうと思っている人へメッセージをお願いします
歴史と伝統のある、ル•コルドン•ブルーは、日本にいながら本場の技術や文化、味や香りを体験でき、また身につけることのできる貴重な学校だと思います。充実したカリキュラムは必ず自分の糧になりますので、夢と目標を持ってぜひチャレンジしていただきたいと思います。
2019/12/17
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