インタビュー:東京校卒業生 岡本 智美
パン作りに悩みを抱える人々が全国から集まるパン教室「アルーチ」。作り方だけでなく、理論からしっかりと学び、共に悩みを解決するスタイルが人気で、レッスンはいつも満席です。「アルーチ」を主宰する岡本智美さんは2012年に東京校でパンディプロムを取得しました。
ピエール・デュタルは、フランス南西部、ピレネー・アトランティックの出身。地元の豊かな食文化を享受しながら、ビジネススクールへと進学しました。EDHEC (Ecole des Hautes Etudes Commerciales du Nord、高等ビジネス学院)でビジネスを学んだ後、銀行の法人担当として、ロンドン、パリ、マドリッドで勤務しました。何事にも細部にこだわるのが好きで、出身地の良質な食材、特産品を好み、郷土愛にもあふれていました。「(銀行勤めではなく)他のこと、レストラン開業を夢見ていたました」と彼は振り返ります。
ピエール・デュタルは、ミシュランスターシェフの元で修業することから始め、1年間、レストランの企画開発を準備しました。
「ある日、パリにあるカリナリーアーツ・スクール、ル・コルドン・ブルーについての噂を聞き、シェフのデモンストレーションに参加しました。そこでの教育環境、最新の設備、シェフ講師に惹かれました。特に、実演と実習を組み合わせた授業内容は魅力的でした」。ピエールは、2009年に料理ディプロム取得コースを申し込みました。
2013年、ピエール・デュタルは、友人のジャン・ヴァルフォールとパリの10区でタパスのレストラン 『Farago』の共同経営を始めました。二入は、コンセプトを開発し、食材を求め、インスピレーションを得るため、旅に出ました。バスク地方で2つ星のレストランシェフの元で働き、地元の生産者を紹介してもらい、郷土料理のメニューを教わりました。
ピエールは我々に打ち明けてくれました。
1年半は昼も夜もとにかく働きました。レストラン経営を続けていきたいと強く希望していたため、ごく自然に次の展開へとつながりました。マグレ・ド・カナール(鴨の胸肉)がとてもよく売れたので、2つ目のレストランはその結果、2016年 「カナール&シャンパン」の開業となりました。
「カナール&シャンパン」は歴史的な建造物を利用しました。テーマをカナール(鴨)とシャンパンの2つに絞ったシンプルなメニューで展開しました。この組み合わせはとても良く成功しました。このレストランでは、ヤニック・アレノシェフのレストランでアシスタント・ディレクターを2年間務めていたジャン・フランソワ・モンフォールとの共同経営となりました。
共同経営が効果を奏し、テレビ出演やメディア露出、口コミが増え、仕事は順調に発展し、2年でトリップアドバイザーの書き込み600件に達しました。
最初の2軒は、パリ在住の人や外国人客の間で評判になリました。ピエール・デュタルは仲間と共に、2017年に「Candelma」(現代風にアレンジしたクレープ・レストラン)、「Bricktop Pizza」(フランス食材を利用し、薪を使った窯焼きピザを出す、ナポリ風のピザ・レストラン)を続けて開業。
調理の現場とレストラン経営の両方が同じくらい好き。レストランビジネスには、特別の思い入れがあります。人々は、人と触れ合い、共に過ごすためにレストランへやってきます。(レストランは)精神的な共同体のような場所です。
2018年初頭、ピエール・デュタルはハンバーガーブランド「Liberty’s burger」を発表、フランスでプレミアム・ハンバーガーのトップブランドとなるブランディング構築を企画しています。フランスのいたるところで展開されるフランチャイズ方式です。市場の反響は上々で、わずか2カ月で3店舗の新規オープン契約が結ばれた、とのこと。
ピエール・デュタルは、チャレンジすることを生業としています。この若き起業家シェフは、止まることを知りません。実際、年内に2つの新しいレストラン開業を準備しています。いずれも、パリ2区の歩行者ゾーンに企画中とのこと。
2つの新規企画は、まったく異なるスタイルで展開されます。一つ目はブルジョワの料理を復活させるという目的で、タッグを組むのはフランス料理界の巨匠! 詳細は近々発表される、とのこと。二つ目は、魚料理をテーマにしたレストランで、市場のような内装レイアウトに仕上げ、魚は顧客の眼の前で新鮮に調理されるそうです。
時代を先取りするレストラン・オーナー、ピエール・デュタルは、常に次の挑戦を見据えています。
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