ジャパニーズスイーツの要、餡
「12年ぐらい前でしょうか。まだ日本に住む前、旅行で訪れた際に初めて"餡"を口にして、非常に驚きました。フランスでは豆を砂糖で甘く煮るということはまずしませんから。食感も不思議でした」
2017年に東京校で料理ディプロムを取得した井上ゆかりさんは、研修プログラムを利用し、ホテルオークラ東京の「フランス料理・ワインダイニング ラ・ベル・エポック/バロン オークラ」で現場研修を行いました。この研修を通して学んだこと、感じたことを井上さんに聞きました。
プロの現場ではどのような工夫と段取りで一流の味を守ってきたのかを五感で知りたいと思い、プログラムに参加しました。初日に見た光景は今でも忘れられません。それぞれの作業台で仕事していた全員が、シェフの一声で集まり、次々に美しい料理を完成させていく。その様子に鳥肌が立つような驚きとすごさを感じました。
研修を通して多くのことを学びましたが、特に印象に残っているのはチームワークの大切さです。また、一つの料理を作るためにどれほど沢山の丁寧な工程が重ねられているか、美しく美味しい料理を提供するためにどんなに多くの人のエネルギーが費やされているか、ということも深く心に刻まれました。
お客様の口に入るものを作る緊張感、限られた時間内に衛生に気を配り、正確に効率よく作業する難しさ。味見の大切さも研修を通して深く学んだことの一つです。まずその日の素材の味を確かめ、料理の工程ごとに味見をし、お客様に提供する直前まで味の調整をしていく。味見こそが料理の神髄なのではないかと感じました。 私にとってこの研修は、毎日新しい知識と経験に出会う、夢のような1カ月となりました。なにもかもが素晴らしい経験だったと思います。
「ラ・ベル・エポック/バロン オークラ」にて、お世話になった料理長の長谷川裕二シェフと。
2018/05/01
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